熱中症対策が義務化

【2025年6月法改正】土木工事現場の“命を守る”熱中症対策が義務化に!

建設・土木の現場にとって、夏は過酷なシーズンです。炎天下での作業、重機による作業負荷、厚手の装備など──すべてが熱中症リスクを高める要因となります。


そんな中、2025年6月より、政府は労働安全衛生規則の一部を改正し、屋外での作業時における熱中症対策の実施を義務化しました。 今回は、その概要と現場で求められる対応についてわかりやすく解説します。


🔍そもそも、なぜ「義務化」に?

これまで熱中症対策は企業や現場の「努力義務」に留まっていました。しかし、年々増加する熱中症による労働災害(特に建設業界)を受け、政府は対応の強化を決定。 厚生労働省の調査によれば、熱中症による死亡災害の6割以上が建設現場で発生しており、その深刻さがうかがえます。


📘義務化された内容のポイント

法改正により、以下の内容が明確に義務づけられました:


項目 内容

対象作業 気温31℃以上またはWBGT値28℃以上の屋外作業

必須対策 作業の中止または軽減/冷却手段の確保/搬送体制の整備など

周知義務 作業従事者への事前説明および安全衛生教育の実施

罰則 違反時には6ヶ月以下の懲役または50万円以下の罰金の可能性あり

つまり、“暑さを我慢するのが現場”という発想は、これからは通用しません。


🛠️現場で今すぐ始めるべき5つの対策

① WBGT計の導入と数値管理 温度と湿度を組み合わせた“暑さ指数”をリアルタイムで測定し、一定数値を超えたら作業を中断。これは「感覚」ではなく「データ」で判断すべき時代になったのです。


② 空調服や冷却アイテムの配備 空調ファン付き作業着、ヘルメット用冷却材、ミストスプレーなど、身体の放熱を助ける装備を現場ごとに導入しましょう。


③ 水分・塩分補給のルール化 30分に1回の水分補給タイムや、塩飴・スポーツドリンクの常備。のどが渇く前の“定時給水”がカギです。


④ 休憩所の“冷却力”強化 日陰+扇風機では不十分!ポータブルエアコンやミストファンなどで“確実に体温を下げる”休憩環境を整える必要があります。


⑤ 声かけと体調チェックの徹底 毎朝の体調申告制度、巡視時の観察、そして「暑くない?」の一言が、命を守る最後の砦になります。


🧩これからの現場に求められるのは「命を守る設計力」

暑さはもはや“天候”ではなく、“リスク要因”です。 今回の義務化は、単なる作業手順の話ではなく、安全配慮義務の再定義とも言えます。


現場を動かすのは人であり、人が健康であることこそが、品質や納期、信頼につながる。 だからこそ、「暑さ対策を現場の文化にする」ことが、これからの安全衛生のカギです。


☀️最後に

法令に対応するだけでなく、「安全に働ける現場づくり」を主導することが、これからの現場責任者や企業の“真価”といえるのではないでしょうか。


今年の夏、そしてこれからの未来のために── 土木現場の仲間を守る「本気の熱中症対策」、始めていきましょう!